消費者金融に関わる法改正について
金融業界の低迷がもたらした長期不況は、金融機関、特に都市銀行を筆頭とする大手銀行の収益戦略に大きな癲癇をもたらしました。一時の不況は脱したとはいえ、企業の業績は全体から判断すれば低調気味であり、いままでのような旺盛な設備投資意欲が復活したとはいえません。
個人向け融資に力を入れるようになったメガバンク
そこで大手銀行は、これまでの法人営業中心の事業戦略を維持しつつ、従来あまり熱心に取り組んでこなかった個人向け営業に力を入れ始めました。消費者金融大手のプロミスと旧三和銀行(元三菱東京UFJ銀行)が共同出資し、08年に三菱UFJニコス(旧日本信販)まで、ノンバンク大手の大半はメガバンクグループの参加に入っています。
一方、大手銀行は不良債権処理後の収益機会を模索していました。消費者金融は当時、株式上場を果たすなど社会的地位が向上していました。都銀は業務提携を結ぶ機会と判断し、彼らと大手銀行は法人(ホールセール)から個人(リテール)へ収益向上のための舵を大きく切ったのです。
体力を失っていた消費者金融や信販系業者も多い
しかし過払い金請求の急増や、貸金業法の施行で、キャッシング収益頼みだった信販・クレジットカード大手も経営難に陥り、金融支援しているメガバンクの業績に悪影響を与えかねない自体になっており、今後ノンバンクの関係見直しが焦点になりそうです。